商業界から学ぶ

 ここ1か月の間にあい前後して、コンビニエンスストア業界に深く関わった方々にお話を伺う機会をちょうだいしている。
 一人は大手チェーン本部の管理部門の出身者。一人は地方チェーン本部の元社長。お二方とも中小企業診断士の資格をお持ちである。
 食事の席などの断片的な会話であるけれども、流通とは何か、マーチャンダイジング(商品化計画)とはどういうことか、いわゆる提案型営業とはどのようなことを意味するのか、といった事柄について実に考えさせられる体験をした。


 一方で図書館界隈というと、コンビニエンスストアといえば“民間委託業者のもとで働く図書館員の時給はコンビニ店員並み”といった形で言及の対象となっている。
 あるいは、“貸し出しや返却の際にバーコードをなぞる仕事は(以下略”といった形での比較対照か。
 実に皮相を捉えた、もっともな対比ではある。(;´∀`)


 それはともかく要するに、待遇や仕事に対する社会的評価がぱっとしないということなのだが、現状ファシリテーターの働きを訴求してみても無反応…専門家情報の発信について問題提起してみても無反応…という状況*1にあっては、待遇云々の嘆き節を開陳されても“ふーんそうですか”としか応えようがない。


 近ごろ話題になっている貸し出し履歴の活用といった話は、端的にCRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)といった知見に通じる事柄である。
 分かりやすい論点(法の下の平等とか人格権とか)に飛びついて大きな議論*2を展開するのみならず、例えば商業界から地道に何かを学ぼうという発想はないものか。

*1:2007年12月26日付「図書館と図書館員に対する指摘(長文)」参照。

*2:大抵は、例えば「平等」は絶対的平等か相対的平等か、といった解釈上の論点をすっとばしていたりしてお粗末な内容なのだが。