地理区分にかかる補助表を修正しました

 松永英明氏による記事「極私的百科「閾ペディアことのは」のための「ことのは十進分類法」」における“立論”と、コメント欄におけるid:myrmecoleon氏の指摘によって判明したのだが、ウェブログ図書館の地理区分のデータが一部誤っておりました。入力間違いと思われます。
 こっそり書き換えるわけにはいかず、ここで修正の事実をお知らせし、お詫びいたします。


 で、入力間違いがあったのは日本の中部地方のデータなのだが、実は修正後も以下のとおりいまひとつ境界がはっきりしなかったりする。(;´∀`)

‐14 北陸地方
‐15 中部地方
(マイナス記号は一種の接尾辞であることを意味する:-ingで英語の現在進行形を表わすようなもの)

 北陸地方は本州中央部の日本海側なので、中部地方にも含まれるような気がするのだが…
 この点、『日本十進分類法』(isbn:4820495100)の補助表を参照すると、以下のように記載されている。

‐14 北陸地方
 ‐141 新潟県
 ‐142 富山県
 ‐143 石川県
 ‐144 福井県
‐15 中部地方:東山・東海地方 *北陸→‐14
 ‐151 山梨県
 ‐152 長野県
 ‐153 岐阜県
 ‐154 静岡県
 ‐155 愛知県
 ‐156 三重県

 「*北陸 → ‐14」とは“北陸地方の四県は地理区分として‐14を参照せよ”ということなので、結局中部地方の十県は上記のように区分されることになる(NDCこと日本十進分類法では)。


 だいいち、北陸地方の独立性(?)とは政治経済的にも微妙なところがあって、例えば経済産業省出先機関として北陸支局は中部経済産業局名古屋市)の附属機関であるが、中小企業基盤整備機構の北陸支部はその他の支部(関東支部や中部支部など)と並列の関係にある。
 ちなみに、山梨県が一見関東地方に思えるのは、「首都圏」なる比較的新しい概念にわれわれが引っ張られているせいである。(それに対して「北陸」の概念は律令制とかの時代にまでさかのぼるので厄介である)

余談だが…

 日本十進分類法(NDC)は、改訂を重ねながらも歴史や伝統を重視している。
 上述のように北陸地方中部地方(東山・東海地方)と並列の関係にあることや、山梨県中部地方に含まれることなどから窺われる。山梨県は首都圏であるが、地勢的には北関東(群馬・栃木・茨城)よりも長野県などに近いという次第である(甲信越=甲斐・信濃・越後…という言葉がある)。
 また、日本の伝統産業である「蚕糸業」が、農・林・水産業と並ぶ大きな区分を占めている。確かに蚕糸業の文献の蓄積は厖大であるし、現在でも皇室行事としておこなわれているので、区分を縮小することは望ましくないと考えられる。