エネルギー管理士試験

 先日、「エネルギー管理士」の試験を受けてきました。
 これは先般「省エネルギー法」が改正されて、従来は熱エネルギーと電気エネルギーが別系統の基準で規制の下にありそれに要する資格も別々だったのが、両者を統一的な基準で規制することになり、資格も統合されることになったためです。
 熱の使用量もほどほど(規制外)、電気の使用量もほどほど(規制外)、という工場が、熱と電気の使用量を合算すれば結構な使用量(規制水準を上回る)であるから今後は規制対象になるといった効果があります。制度としては統合・簡素化ですが、実質は規制強化といえます。法改正の目的は、地球環境の保護にあります。
 旧制度の資格保有者・試験合格者は、改正法にかかる事項と熱・電気に共通する知識を補充的に問われたわけです。

熱エネルギー管理士,電気エネルギー管理士 ――(統合)―→ エネルギー管理士


 ちなみに、エネルギー管理士の試験は「中小企業診断士」の1次試験(の1日目)と同一日に行なわれます。
 もし去年私が中小企業診断士の2次試験に落ちていたら、1次試験も受けなおしでエネルギー管理士も受けなおしという事態になりグダグダな状態になっていたと思われます。(去年受かっといてヨカッタ(;´∀`)


 それではエネルギー管理士と中小企業診断士とが何の関係があるのかというと、行政の管轄の上では大いに(?)関係があります。前者の資源エネルギー庁および後者の中小企業庁はいずれも経済産業省の外局です。(試験実施者は財団法人省エネルギーセンターおよび社団法人中小企業診断協会
 そういう事情を反映して、最寄りの経済産業局では関連機関が同じ建物に入っており、パンフレット配布用の棚にはエネルギー管理士試験の願書がありまた中小企業大学校の講座案内などが並んでいたりします。
 そういうわけで、近くて遠い資格(?)のエネ管理士と診断士をよろしく。(実務上も両資格を活用しているのは“社内士”のテック青木氏あたり)


 余談ながら、エネルギー管理士の知識があっても中小企業診断士試験の点数にはほとんど繋がりません。
 旧鉱工業部門の基礎科目を受け継ぐ「運営管理」科目で1,2問程度の上積みになるぐらいでしょうか。「簿記検定」とか「ビジネス実務法務検定」とかに比べると、点数への貢献度は全然違います。
 ただ、資格取得後は何らかの相乗効果が期待できます。私はいま、環境系の研究会活動に参加しているのですが、診断士1年目の新入会員として百戦練磨の古株会員の問題意識についていくのに役立っています。